リクナビHRTechは「転職スカウト」「採用管理」などの機能があり、求人から入社後の管理までの機能を一貫して提供する。利用は「勤怠管理」を除いて無料。有料サービスに比べると機能は絞り込んでいるが、中小企業を中心に急速に利用が広がっている。
さらなる普及に向けて6月中旬には「採用管理」に面接の日程調整機能を加える。採用企業側が見る画面には契約する転職エージェントが推薦する求職者が「日程を調整」「日程提示済み」「日程確定」などステータス付きで表示される。人事担当者は個人をクリックするだけで日程調整などができる。
一般的な中途採用では採用企業とエージェント、転職希望者がメールなどを通じて面接日程を調整する。中小企業は複数のエージェントから多くの中途採用候補の提案を受けるため、応募者を管理する負担は重い。
ただ、求職者との日程調整や面談にかかる時間は採用の成否に直結する。販促ディスプレーなどのクレスト(東京・港)によると「若手の営業や経理経験者などはスムーズに採用プロセスを進めないと他社に取られてしまう」という。
同社は年間で採用する20~30人のうち3分の2をエージェント経由で採用する。2人の採用担当者が1カ月にやりとりする求職者は約300人に達しているといい、面接の日程調整だけでも大きな負担になっている。業務効率化に向けてリクナビHRTechを導入しており、今後は日程調整機能も活用していきたいという。
さらに、リクルートキャリアは7月から日程調整画面にチャット機能も追加する。採用プロセスの途中で企業が求職者の志望度合いをエージェントに確認するほか、ほしい人材の要件を補足して伝えることができる。
人手不足で企業の中途採用意欲は高まっている。限られた人事担当者の負担を減らすためにも、人材各社は採用管理システムの拡充を進めている。リクルートグループにも転職を扱うリクルートエージェントがあり、リクナビHRTechの機能を充実させることで、グループ全体の成長につなげたい考えだ。